20「言語認識表現」第20回年次研究会
2015年11月28日土曜 AM10:10~PM6:30
東京都千代田区役所図書館第1第2研修室
10:10~10:15
研究会主査あいさつ
①10:15~11:15
「言語学以前のこと」鈴木覺 愛知県立大名誉教授
個々の言語現象を記述するだけなら未だしも、それらの諸々の現象を貫くより本質的なことを追究しようとすると、個々の現象から特殊性を捨象して普遍的な側面を抽出する思考作業の過程でどうしても抽象的な概念を用ゐて論を進めることになるが、抽象概念の依つて來るところを忘れて議論を進めがちになる。これまでの言語学の歩みの中にもそのやうな誤りが見受けられる。過去の誤りを正しく見つめ直すことから出直さなければ、いたづらに過去の轍を踏むばかりであらう。
②11:15~12:15
岩垣守彦 ALR 「付加情報+体言」と「名詞+付加情報」という壁を乗り越える
今まで,英語の「名詞+付加情報」と日本語の「付加情報+体言」とは,対応するかのように取り扱われてきた.しかし,たとえば,「夜明けに見る夢」とthe dream we have at dawn は情報として等価関係にあるのだろうか.この問題は,究極的には「個を優先する」か「群れを優先するか」という壁にぶつかると思うのであるが,情報伝達という観点から,日本語の「連体節+体言」と英語の「名詞+関係詞節」という壁を乗り越えたい.
昼休憩
③13:15~14:15
「日本語表現分類体系と翻訳ソフトを用いた英語学習支援サ
イトの構築」宮崎正弘(ラングテック)
ネットに繋がったパソコン・タブレット端末・スマホを用い、体系的な文法 知識 を習得・確認すると共に、英語と日本語の文構造・表現の違いやその背後にある発想法の違い等を理解する こと で英語の読み書き能力を高めることを目的とした英語学習支援サイトを構築した。本発表では、本 サイ ト上で動作する英語学習支援ツールを紹介し、今後、考える英語学習を促すより良いサイトをどのよう に実 現するかについて論じる。
④14:15~15:15
「Eラーニングによる医療英語学習環境の最適化について」
逸見明子 エジンバラ大学
近年、オリンピック需要を受け、訪日外国人の数が激増しており、医療現場での外国人患者受け入れ態勢の整備が急務となっている。当発表では、ctivity Theoryの考え方を取り入れながら、医療現場での英語研修実施とEラーニングを併用することで、如何に学習環境を最適化させ、学習効率を高める教材コンテンツを作り込んでいくことができるのかを解説していく。
休憩 10分
⑤15:25~16:25
仮題「非常識の日本語─三浦つとむ認識論による日本語解明 」
今井幹夫 SJP日本語センター
「非常識の日本語―三浦つとむ認識論による日本語解明 」(仮題)
・言語とは(日本語の入口もの・こころ・ことば 二つの概念 )
・日本語の分析(粘土とすし こそあど 横浜は東京の手前 )
・言語教育の展望(わかることとは
・「認識論」と直接教授法の原理 ・三セルと提出順
⑥16:25~17:25
「遍在する物語性について」新田義彦 日本大学
物語には起承転結に相当する構造(いわゆるストーリ)があって、読み手の興味と理解を励起する効果を持っている。このような物語の特性を抽出し一般化すると、「物語性」という概念が得られる。人間社会における言語運用の場(空間)の至るところに、物語性が存在して知的コミュニケーションを効率化あるいは強力化しているように思われる。一方また、物語の構造を持たない(物語性が希薄な)言語運用の場も存在する。このような場では、どのような機序でコミュニケーションの発信と受信における関心の惹起と維持がなされているのであろうか?一見超短文の羅列に見える連句の編みあげなどを例に、平素漫然と考えていることをお話して、LACE研究会の諸賢のコメントをいただきたく思います。
⑦17:30~18:30
佐良木昌 ALR 「条件法に解釈される連体修飾節の特質とその英訳手法
古文における「連体形+(形式名詞「の」を補う)+係助詞/格助詞」という構成の連体節が体言格相当であるとき、条件法としての解釈が可能である。現代文においても、「連体形+「の」+「係/格助詞」の用法が、同じく条件表現として用いられている。主節が「対象語格+感情形容詞述語」の文型が基本であるが、この感情表現の型が条件表現に拡張されている。条件法に解釈可能な連体修飾節-主節の構成を取る和文は、英訳においては主節-従属節が適切である。英語・独語では形容詞である関係節は条件節に換言可能であるが、英語においては、非制限の関係節は原因・理由の従属接続節に換言可能であり、制限の関係節は条件の従属接続節に換言可能であるといった制約がある。上記の二つの視点から連体節の英訳手法を検討する。
投稿日: カテゴリー LACE「言語・認識・表現」第20回年次研究会 にコメントを残す
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