/「言語・認識・表現」(LACE)第26回年次研究会

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「言語・認識・表現」(LACE)第26回年次研究会
オンライン開催(Zoom方式による) ■日程:2024年3月30日(土) AM 10:00 ~ PM 5:30

研究会主査 開会の挨拶 宮崎正弘

10:05

名詞の語義記述のための分類観点と認知的プリミティブのセット

宮﨑正弘(ラングテック)

多くの基本語は多義語であり、中核となる基本義から認知の仕方が異なることにより様々な語義が派生するという考えに基づき、基本語の語義を主体が事物を捉える際に着目する様々な認知的プリミティブによって形式的に記述する研究を進めている。名詞に関しては、既に多次元シソーラスの分類観点とその属性値を記述する認知的プリミティブによる名詞の語義記述の枠組みを発表しているが、認知的プリミティブに関しては形状に関してのみ詳細なセットを提示していた。本発表では、分類観点をより厳密に記述する枠組み、及び他の認知的プリミティブの詳細なセットを紹介し、動詞・形容詞・副詞など他の品詞への展開について展望する。

11:0512:00

冠詞論の探求―西欧諸語における冠詞の成立―

佐良木昌(NPO言語研究アソシエ/明治大学)

話者の実体認識の表現という観点から「冠詞」について検討する。冠詞をその歴史的形成過程から検討することで、冠詞論について知見深める。定冠詞・不定冠詞をもたないラテン語に対してその末裔であるイタリア語,フランス語などのロマンス諸語にはあるという事実は何を物語るのか?ゲルマン祖語にも冠詞はなく、冠詞発達が観られるのは、定冠詞については古高地ドイツ語期、不定冠詞は中高地ドイツ語期に成立し、中高地ドイツ語期の末期に現代語の使用状態に近づいたと考証されている。現代英語の冠詞の挙動は輻輳しているため定式化しても必ず例外的な例が出てくるが、その根拠として冠詞成立の歴史的過程を措くことで、冠詞の諸相を見極めたい。

12:0013:00 休憩

13:0014:00

言語の翻訳変換

岩垣守彦(NPO言語研究アソシエ)

言語の機械変換もかなり有効になってきていますが,これから必要なことは「変換できる文」(表層で完結する文)は的確に変換出来るようにすることであり,無駄な挑戦,たとえば,I

love you forever.を「あなたのことは決して忘れない」と変換させようとはしないことでしょう.そこで,どの程度が無駄な挑戦になるか,文法の例文用に作った日本文とその対応英文や今整理している資料の中から拾ってみました.

14:0015:00

仮題:小説の翻訳の質は翻訳者の語学力ではなく人生経験で決まる―機械学習と人工知能は人生経験に接続可能か?―

原田康也(早稲田大学)
第一著者が10代から30代にかけて翻訳を進めてきた小説の訳稿を素材としてどのように翻訳に致命的な勘違いが混入してしまうかについて検討する。

15:0015:15   休憩

15:1516:15

修飾・被修飾の関係(偏正構造)に潜在する判断

小川文昭(元明治学院大学)

現代中国語の主語・述語の組合せは、場面とその場にある対象という関係を写すもので

ある。(「指示と表現―中国語文法についての一つの考え方」第六章)主語・述語の結

合は外面的で、述語は主語からの独立性を保持し、時には主語を振りまわす。

単音節の形容詞「好(良い)」「白(白い)」などを文の述語に用いる時は、それに「

很hen3(とても)」を加えよと教わる。これは単音節形容詞に内在する対比・対照の意

味を打消すために修飾・被修飾関係の潜在的な判断まで動員する必要があるということ

を意味する。

16:1517:15

特殊詐欺のことば-関連性理論による分析―

中村秩祥子(龍谷大学)

特殊詐欺について、世間的認識も十分に行き渡っているにもかかわらず、いまだに被害件数や被害額は大きな問題となっている。金銭を振り込んだほとんどの被害者は世間で特殊詐欺があることをニュースなどで知っていたと述べている。それでもこれらの被害者は完全に詐欺側のことばを信用してしまって被害にあっている。そこで、特殊詐欺のことばを関連性理論の枠組みで分析して、使用されていることばの特徴や被害者のことばの解釈時の特徴を示すことを本発表の目的とする。

17:1517:30   本日の諸講演について質疑応答

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